♣ Food×Engineering
テクノロジーの進化によって食はどう変わるか
♣ 研究関心
分子調理法による新しい料理、調理法の開発
昔のSFの物語の世界で見た「未来の食」は、手に届くところに迫ってきています。たとえば、食糧不足や環境問題など人間が抱える問題を解決するための、培養肉、昆虫食、植物性由来の代替肉などの「代替食」の開発が進んでいます。調理の世界では、調理機器と情報通信技術(ICT)が融合し、キッチンの「スマート化」や「ロボット化」も急速に進展しています。
新しい食は、食の生産、製造、流通などを変え、さらに私たちの身の回りの食生活をも大きく変革し、最終的には私たちの身体や健康、さらには、家族団らんや個人のアイデンティティなどの心にも影響を及ぼしていくでしょう。将来、私たちが何を食べるか、何を食べることができるかは、これからの「食のテクノロジー」にかかっているといえます。
また、ハイエンドな料理の世界でも、科学実験の道具を駆使した料理、3Dフードプリンタを使った食べものなどが登場しています。家庭用の調理家電においても、経験則だけでなく、より科学的な視点に基づいて開発が行われている。「科学や技術によって料理をおいしくする」という考え方は、プロの世界だけでなく、一般の人々にも広がっています。
『分子調理の日本食』
食のデジタルトランスフォーメーション
「食」という言葉には、「食品」というモノと「食べる」というコトが含まれています。この食という生々しくて、人の手が携わってきたアナログの世界が、フードテック等によって急速に“デジタル化”が進んでいます。このデジタル化(digitization: デジタイゼーション)は、デジタル化が広まったデジタル社会化(digitalization: デジタライゼーション)へと向かっています。さらに、常時オンラインとなったデジタル社会化は、社会構造を変えてデジタル変革(digital transformation: デジタルトランスフォーメーション)をもたらします。デジタル化がネイティブとなった「アフターデジタル」の時代に、食産業がどのように変貌するのかを考えていきます。